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欧州の財政懸念と格下げ懸念

週末から、ドイツ・フランス首脳会談で欧州銀行の資本増強について合意、今月末までに新たな危機対応策を打ち出す方針を明らかにしたことから欧州の政策対応期待が先行し、投資家のリスク許容度の拡大で円やドルが売られクロス円が上昇しました。ただ、今週から米企業決算が本格化することから内容次第ではリスク回避の流れが強まる可能性があります。

 

欧州情勢では、欧州連合(EU)の行政執行機関や欧州委員会のレーン委員(経済・通貨担当)はギリシャについて、11月半ばまでの資金は確保されていると述べるとともに、第1次支援に基づく第6次の融資実行に関する決定は月内に行われると指摘しました。希望的観測が強く表現されている部分もありますが、ギリシャ問題に対する不透明な部分が徐々に具体化される期待が先行する形になりました。また、ユーロ圏17ヶ国が欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の機能拡充に向けた議会採決は残すところ1ヶ国のスロバキアのみとなりました。

 

11日の日本時間午後8時に採決の予定ですが、否決のリスクが高いと見られていたスロバキアではラディツォバー首相があくまで「一時的手段」として議会で承認される見通しを示していましたが、連立与党内での意見調整が難航している模様です。万が一、否決の場合はリスク回避の動きが急激に強まることになります。しかしながら、EFSF拡充案の議会採決を乗り切ったとしてものレバレッジ活用についての協議で選択肢に関する明確なコンセンサスは形成されていないことへの不安感は拭えず、安心できる状況にはないのでFX 自動売買を利用したシステムトレードを検討している方は急な相場変動にも対応できるようにしておく必要があります。

 

また、欧州周辺国では週末にユーロ圏高債務国の資金調達リスクの高まりと必要になりそうな追加的銀行支援が理由とされ、格付の引き下げが行われました。米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスが、ベルギーの格付けを引き下げ方向で見直すことを示し、ポルトガルの銀行9行と英国の12金融機関の格下げを発表しています。また、格付け会社フィッチ・レーティングスでも、スペインの格付けを「AA+」から「AA−」へ2段階引き下げて見通しを「ネガティブ(弱含み)」とし、イタリアの格付けも「AA−」から「A+」に1段階引き下げ、見通しを「ネガティブ」としました。今週はEFSFの機能拡充に向けた進捗状況が完了することでユーロは強含む一方、欧州周辺国の格下げが債券相場に与える影響でイタリアやスペインなどの欧州周辺国の利回りが上昇すれば、再びリスク回避の動きが強まることになると思います。

 

10月の欧州関連予定
10月14-15日:G20財務相・中央銀行総裁会議
10月23日:EU首脳会議

 

その一方、米労働省が7日発表した9月雇用統計によると、非農業部門雇用者数は市場予想を上回る前月比10万3,000人増となりました。前月の5万7,000人増や市場予想(5万5,000人増)の約2倍の強い結果で景気後退懸念を緩和させました。

 

一時雇用は1万9,400人増と3ヶ月連続の増加、平均労働時間は6分延長されて34.3時間となり、パートタイム就労は44万4,000人増えて930万人とこの1年で最高となり、過去2番目の記録となりました。この結果を受けて、楽観的な見方からドル円(USD/JPY)は一時76円90銭近辺まで上昇しましたが、米国企業は正社員を雇うのではなく、一時雇用とパートタイムの労働者を増やし、現従業員の労働時間を伸ばすことを選んでいます。これは企業の間で景気見通しに自信がないことを示し、正社員を増やすことが躊躇される状況と思われます。これらのことから労働市場が改善しているとの位置付けは時期尚早であり、今後の結果をさらに確認しなければならないと考えています。

 

為替(FX)市場では短期的にリスク回避姿勢の後退が続き、株価・クロス円が堅調地合を続ける可能性も排除できませんが、中長期的なリスクは依然としてあり、投資家のリスク回避姿勢を背景に株価・クロス円が下落する方向に傾いていると考えています。

ドル円《USD/JPY》

ボリンジャーバンド(日足)では、センターライン(21日移動平均線)がフラットに推移しバンド幅がほぼ一定に推移していることから方向性に乏しく、レンジ内での推移と予想できます。一目均衡表(日足)でも遅行線がフラットに推移し、実勢レートに絡む形で推移していること、トレンドの方向性を示す基準線もフラットに推移していること、実勢レートで基準線、転換線がレジスタンスライン、サポートラインとして機能していることから、方向性に乏しい展開と判断できます。オシレーター系指標ストキャスティクス(スロー)では、ドル買いシグナルが点灯しており、トレンドの方向性の乏しいマーケットにおいては比較的信用性が高いようです。

レジスタンスライン

77.38(一目/DAY/雲下限)

77.18(BBD/DAY/2σ)

サポートライン

76.32(2011/10/12安値)

76.22(BBD/DAY/マイナス2σ)

 

ユーロ円《EUR/JPY》

ボリンジャーバンド(日足)では、センターライン(21日移動平均線)がフラットに推移しているものの、実勢レートが2σラインに絡む形で推移していること、一目均衡表(日足)で遅行線が陽転継続し実勢レートを上にブレイクしていること、実勢レートが基準線を上にブレイクして推移していることから、ユーロの堅調な展開が予想されるものの、オシレーター系指標ストキャスティクス(スロー)で、%Kスロー、%Dスローが買われ過ぎの判断基準である80%ラインをブレイクし、かつ、デット・クロス(ユーロ売りシグナル)していることから、短期的な下落には注意が必要です。

レジスタンスライン

107.02(2011/10/12高値)

106.68(BBD/DAY/2σ)

サポートライン

103.97(21SMA)

101.26(BBD/DAY/マイナス2σ)

 

ユーロドル《EUR/USD》

ボリンジャーバンド(日足)では、センターライン(21日移動平均線)がフラットに推移し、バンド幅もほぼ一定に推移していることから方向性に乏しい状態です。一目均衡表(日足)では遅行線が陽転しているものの、依然として実勢レートの下方に位置していること、トレンドの方向性を示す基準線が下落傾向にあること、実勢レートが基準線を上にブレイクして推移していることから、ユーロの堅調な展開が予想されるものの、オシレーター系指標ストキャスティクス(スロー)で、%Kスロー、%Dスローが買われ過ぎの判断基準である80%ラインをブレイクし、かつデット・クロス(ユーロ売りシグナル)していることからユーロの軟調な展開が予想されます。

レジスタンスライン

1.3888(BBD/DAY/2σ)

1.3832(2011/10/12高値)

サポートライン

1.3553(21SMA)

1.3489(一目/DAY/転換線)

続きを読む≫ 2011/10/18 21:41:18

英9月雇用統計(失業率、失業保険申請件数)

英国9月雇用統計の失業保険申請件数は2.4万人の増加が市場予想となり、英国の労働市場は依然弱い状態が続いています。民間部門での雇用はやや改善すると思われますが、同国政府が財政赤字削減のため公的機関の雇用減少が響いています。9月の失業率は市場予想が5.0%と前月の4.9%から上昇すると見られています。

 

豪9月雇用統計(失業率、雇用者変化)

豪州9月雇用統計の雇用者数は前月比1万人の増加が市場予想となり、前回8月の9,700人の減少から改善すると思われます。また、9月の失業率では5.3%の市場予想で前月と同水準にあります。世界経済の先行き不透明感に変化はありませんが、前月の反動や企業の雇用採用がやや緩んだ模様でもあります。

 

米8月貿易収支

米国8月貿易収支は前月比458億ドルの赤字が市場予想となり、前月7月の448億ドルの赤字幅よりも拡大する見込みです。石油以外の輸入の好調さや輸出の増加が鈍化しつつあることが赤字幅を拡大させている模様です。

 

米9月小売売上高

米国9月小売売上高は+0.7%の市場予想となり、前月の0.0%から上昇する見込みです。自動車の売上増やガソリン価格の上昇が押し上げ要因となると思われます。また、自動車を除いた場合では+0.3%の市場予想で前月の+0.1%から上昇する見込みにあります。雇用の悪化などを背景に個人消費は低迷おり、市場予想ほど改善せずに低下リスクの可能性があります。

 

米10月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値

米国10月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値では60.4が市場予想となり、9月のFOMCで期間が短めの保有国債を長めの国債に乗り換える方針を表明して、借り入れコストの一段の引き下げとリセッション(景気後退)回避に向けた取り組みなどが好感した模様です。しかしながら、株式相場の低迷が下押し要因にあります。

続きを読む≫ 2011/10/18 21:20:18

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